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小説『俺を好きなのはお前だけかよ』感想!

 第22回電撃文庫金賞を受賞した『俺を好きなのはお前だけかよ』を読んでみました。
 ので、今回は小説の書評です!


 今作は電撃文庫公式サイトでも試し読みをして発売を楽しみにしていた作品でもあったので、面白いと確信を半分持ちながら読んでおります。
 発売から結構日が経っていることについては、まあ、すっかり発売日を忘れてしまっていたわけで(笑)


 今作の読了時間は4時間。
 今回は二日に分けて読んだことも理由ではあるのですが、初の電子書籍で慣れないのかもしれません。思ったよりも時間がかかっております。


 では感想いきます。ネタバレ要素は最後に持って行くので、気にされる方はご注意を。
 直前になったら注意書きもだします。


学園ラブ?コメ

 物語は普通のとある高校。そこに通う『僕』ことジョーロくんの登校から始まります。
 ベタベタの妄想っぽいラブコメ風に会話や話が進んでいきますが、この小説のタイトルを忘れてはいけません。

『俺を好きなのはお前だけかよ』

 とりあえず魅力的なヒロインは恋愛に発展しないんだろうな、と一歩引いた感じで冒頭から読んで行きました。
 そうすると主人公はラノベのテンプレを理解しつつキャラを演じ、女子に近づいていた少し痛いけど頭の回る人物だと判明します。

 そう、全ては超可愛い女子を攻略するため!
 つまり王道ラノベ的にハーレム的に彼女をゲット!

 しようと思ったのだが……目をつけていた彼女たちは実は全然俺のことを好きではなかったのだった。

 というところから物語は始まります。
 ちなみにこの部分までは公式サイトとか電子書籍の立ち読みで読める部分なので、気になる方は読んでみると良いと思います。そこそこのボリュームもあって面白いですよ。

 で、タイトルのとおり『俺』くんを好きな子は実は一人しかいなかったりします。
 そう、表紙のあの子です。三つ編みメガネの女の子。

 飴風的には家庭的で可愛い地味目で優しい女の子が好きなので、九岡望先生のエスケヱプ・スピヰドに登場する叶葉ちゃんが個人的に素晴らしすぎてどストライクだったり。可愛いですよね、良い子だし。

 と少し脱線しましたが、三つ編みメガネの女の子が主人公を狙っているヒロインということになります。
 が、彼女はもう小説の冒頭に登場している時から変わらず性格が少しひねくれています。そのせいか図書委員とはいえいつも図書室で一人です。
 少し気難しく、自分の意見がはっきりとある女の子ですね。叶葉ちゃんみたいに思いやったり、優しくはないですが、主人公のために厳しくするという優しさを持ち合わせた子です。
 ただ一つ、読者的にかなり好みが別れる難点がありますが……。


 一応、今作の感想を端的にまとめると以下の通り。
ラノベではないエンタメの高校小説のようだった
・一人称の字の文。面白い……が、同じ文の使い回しが多い
 →構成上仕方ないが、何度も答え合わせさせられている感がある
  一、二回はまだしも何度も何度も出てくる。そういう設定とネタだとは理解しつつも、同じこと話しすぎ。
・コメディ的な意味で面白い
・設定と構成を少しひねった話
・人間関係が微妙に生々しい。
・ヒロインは露骨な容姿以外の魅力を押し出して描いて欲しかった

 少し厳しめな感想ですが、それもこれもラストでがっかりさせられてしまったからだったりします。
 いや、クライマックスまでは面白いんです。でもクライマックス後、全てが落ち着いた後がもうちょっとなんとかならなかったかなという思いが(^^;


 で、ここからネタバレ込みでいろいろ感想を語っていきます。


ネタバレ込み感想

 ちょっとやりすぎ、クズが多すぎませんかねという印象でした。
 いや、ラスト(クライマックス後の展開)からモヤモヤしたまま読了しまったのがいけないとは思いますが、少し時間を置いて改めて感想を書いてみると、ちょっと個人的には「うーん……」という部分が多いです。

 というのも、登場人物が全体的に性格ひどいです。
 最初のヒロイン二人は、主人公を平気で振り回しまくったのもありますが主人公が彼女たちへの興味が失せたのと同様に自分も冷めてしまいました。
 それに図書室で主人公が糾弾される一件では、ヒロイン二人が主人公を素で友達としてですらなく、ゴミか小石のようにしか思っていなかったことを明かされ、幻滅です。

 え、生徒会長ともあろう人が自分のために奔走してくれた人になんとも思わなかったの?
 え、幼馴染なのに小石とかゴミみたいにしか本当に思ってなかったの? というか、高校で主人公の友人に一目惚れする前からそんな風に思ってたわけですか?

 なんかこう、テンプレ的生徒会長、幼馴染の設定を貼り付けただけの人みたいな感じで友情すら照れ隠し抜きで本当に無いらしいという部分が発覚してから印象は最悪でしたね。
 少なくとも一緒に学校を行き来してきた幼馴染はもう少し、高校でちょっと一緒になった生徒会長よりは罪悪感とか感じてもいいんじゃないの? と。

 だって自分たちのせいで主人公はスクールカースト最下位にされて、クラスで机に花瓶置かれたり椅子に画鋲を置かれていじめを受けるようになったのに、主人公の友人が謝って真実を明かさなければなんとも思わず当然の報いと思っていたわけですし。
 せめて「や、やりすぎだよ!」くらいはかばったり、思いやる一面はあっても良かったのでは。
 生徒会長、幼馴染……なんか属性だけなんだなと、ヒロインに幻滅すると同時に心がないなと思いました。

 役割とテンプレ的属性だけで、彼女たち個々人の中身の設定がほぼ皆無ということが原因なのかなとメタ視点からは感じましたね。
 だって生徒会長とか予習しないと何もできない、ノートにめっちゃメモして考えを書く癖の理由とか背景とか、何もなさそうな印象でしたし。
 幼馴染ちゃんも学校まで走る理由は鍛えるためとか特になくて、ノリっぽいですからね。
 というかスポーツマンなのにいつも付き合ってくれている主人公くんになんとも思わないのね、と少し思ったり。
 試合とかもおそらく応援来てくれていて、差し入れももらっているだろうに。

 飴風はテニス部経験あって試合とかも出ていましたが、夏なんかは特に差し入れは本当にありがたいですし、常日頃から礼儀や感謝の気持ちは忘れてはいけない。そんな雰囲気でした。
 というか別に強制じゃないのに応援に来てくれる人とか、自分なんかの試合を応援しに来てくれて……ありがとう!頑張る!絶対勝つよ! って思いますし。

 そもそも県大会、全国大会出るような選手でなくとも人に、しかも硬式のボールを後頭部にぶつけるようなことはしませんし。

 うーむ、幼馴染の子への印象はもう考えれば考えるほどいろいろひどいです。


 で、全ては主人公の親友の大会での出来事に収束するという話だったわけですが、親友も主人公に恨みを持っていたことはまあ仕方ないとは思います。
 が、なんというか……好きな子が学校にいること知ってたなら早くから行動しろよと思ってしまいますね(^_^;)

 どんだけ主人公を貶めたかったんだよ、怖いよ!? というレベルです。
 もっと別の方向で直球勝負すれば良かったのにと。

 最終目的が好きな女の子と両思いになる。なら今回の行動は悪手だし、そもそもシンプルに主人公の協力を得たほうが主人公を苦しめる結果にもなり、好きな女の子に主人公を諦めさせることもできて一石二鳥です。うまくいくかはともかく。

 なのにわざわざ人を巻き込む奸計を使い、主人公をスクールカースト最下位に落として大勢のいじめの対象にさせた。
 好きな女の子の前でぶん殴った。
 ……いや、演技だとしても普通に親友くん格好いい、ありがとうという展開にはならないだろうと思ったり。

 あとそのあたりはまあともかく、お話としては十分面白くはあったので置いておきます。
 でも、でも個人的には最後どうにかしてくれと。

 なんでパンジーがグラマラスでメガネも伊達で三つ編みですらないんだー! あと胸は何故巨大!?

 主人公はちゃんと人のことを思いやれる素晴らしい人物だというクライマックス後、やっぱりお前のこと好きになるの無理みたいな感じにパンジーとなりつつの、突然の変身。

 ……メガネ外して可愛いだけで十分なんだよ?
 実は中学校で好きになったあの子程度で、別に世界最高の美少女(美女?)にしなくても良かったんだよ……?
 唖然としました。いや、きっと地味目の子でもイラストレーターさんが可愛く描いてくれると思うんだけど、とメタ的にも思ったり。

 しかも、主人公を体で釣っているという。
 なんだか体で誘惑するしか主人公をつなぎとめておけなくなってしまったパンジーがすごく可哀想で仕方ありませんでした。
 主人公も主人公で、そんな照れ隠しですらない意味で嫌いな女の子の体を見るために図書室に通い続けるとか嫌じゃないのと思ったり。

 ……うん、結局恋愛は気持ちが大事だよみたいなこと言っておいて、最後がこれか……とモヤモヤしました。
 ラノベなのに萌え要素無し、報われる恋もなし、友情すらほぼ無し。

 最後を、本当、最後をもっとうまくまとめてくれれば感想や印象もだいぶ違ったものになったかなというのが総評です。

 登場人物の半分以上に幻滅する展開の話で、最後に残った主人公とヒロインのパンジー。
 でも関係が歪すぎますね……。

 今後もパンジーが主人公の心を引き止めるために体で魅了して、一生懸命気を引いて、ずっと「お前嫌い」と言われ続けるのかと思うと不憫でなりません。主人公、素でこのヒロインに対して思いやりがないですからね。


 コメディ的に面白い作品ではあります。単発のエンタメ小説としては出来は良いです。
 が、ラノベとしてはどうなんだろうな……というのが正直なところ。
 今後の展開にちょっと期待ができません。個人的な好みから少し外れちゃってます。

 ので、アニメ化したりしたらまた読むかもしれません。個人的には心に刺さらないお話でした。
 結構前に読んだメアリスケルターのほうが読了感は良かったかもです。

 ということでめちゃくちゃ酷評を書いてしまいましたが、気軽に読む分には面白いお話だとは思います。
 主人公がどのようにしてスクールカースト最下位にまで落ち込んだのか、高校生の男女関係の歪なもつれや修羅場がどうなるのか?

 興味を惹かれた方はまず試し読みをしてみることをおすすめします。
 クライマックス部分までは笑えて面白いです。その後の展開についての印象も個人差がありますからね!

 それでは今回はこれにて!